it's so eazy パン作り

元ベーカリー勤務経験者が簡単で美味しい、家庭でのパン作りに悪戦苦闘する模様を綴ります。

『楽する手ごね』の大敵は具材がいっぱいの生地!

こんにちは!

 

1.捏ねが楽

2.汚れない

3.疲れない

4.おいしい

 

以上、4点が命題でやっております~。

『楽する手ごね』です~。

 

 

如何に、手捏ねを簡潔に、短時間で、省労力でを目指す『楽する手ごね』において、副材料がいっぱい入った生地を仕込む事は、難題です。バター、ショートニング、卵やらが生地になじむまで、ヘラの混ぜ回数が多くなってしまいます。これって『楽』ではないですよね?

混ぜ回数を増やしたくないのなら、少ない混ぜ回数でも馴染むよう、具材を前処理するしかないですね。簡単に言えば液体状に近づける事です。菓子パンなどの副材料の多い生地の場合、多少労力が掛かっても事前に湯せん等すぐ馴染むように、前処理をした方が命題の一つである『おいしい』のクリアーに確実に近づけるので、ここは無難に菓子パン等は前処理をする事に決めました。

 

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もうひとつ、重要な事があります。

そもそも副材料が多くなると、グルテン形成が難しくなっくるのという事です。ですので如何に手短か、安易に捏ねを完了させるかの『楽する手ごね』においては、はなからかなりの難題だったのです。不向きの極致です。

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 卵、脱脂粉乳、油脂等はグルテン形成の邪魔者

卵、脱脂粉乳、バター、ショートニング等はグルテン形成を阻害する作用があるのです。これら副材料が多くなると、グルテン形成においてグルテン同士の間に層を作り上げグルテン同士のつながりを阻害してしまいます。ですので、こういういわゆるリッチな配合の生地は長く、強くミキシングしグルテンを形成させなくてはいけないのです。甘い菓子パン生地やヴリオッシュ生地なんかは、高速でブンブン!ミキシングします。生地もビロ~ンと伸びるまで、薄い薄い膜ができるまでミキシングするのです。ですので、この系統のパンは家庭での手ごねには一番難易度が高いのではないでしょうか。手捏ねの場合、大抵ボリュームの欠けた、重い食感のパン。焼きたてならまだしも、冷めてしまうと風味もない固くなってしまうパンになりがちです。手捏ねでは相当、覚悟をもって望まなければ捏ねがあまくなってしまいます。

 

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捏ねがあまいとどうなるか、グルテン形成がいまいちだとどうなるか、

生き物であるイースト菌はパン生地の中で活動をはじめ、その副作用で炭酸ガスを放出するのですが、放出しても放出しても不完全なグルテンだとそれを留め置く事が出来ないのです。その結果、重くて、直ぐ硬くなり、風味に欠けるパンになってしまうのです。

 

そんな訳で『楽する手ごね』では、副材料の多い生地を仕込む場合、要注意なのです!

 

 

では、また!